7/10、やっと公益社団法人日本技術士会北海道本部(以下技術士会と称す)へ提出する活動報告冊子「続・エゾシカ飼うべ」ができあがり、年次大会の場で会員に配布することができました。これは私が幹事長を務める社会活動委員会エゾシカ研究委員会において調査・研究した内容をまとめたものです。ほぼ全編にわたり執筆、編集に携わりましたが、仕事の合間を縫っての作業は効率の悪いものであり、やはり執筆活動は集中して短期間に終わらせるものだと改めて反省しました。とりあえず完了したことで、これまでお世話になった技術士会へ少しでも恩返しができたと思っております。

 私が技術士会へ入会したのは平成7年度であり、当時は業務処理に明け暮れていましたが、現場固有の技術的な疑問や課題も沢山抱えていました。当時はインターネットもなく、いろいろ調べるのは書籍が主体でしたが、これも非常に時間がかかり効率が悪いものでした。しかしながら技術士会の研究会等に所属し、先輩技術者との交流や勉強会を通じて、これらの諸課題に関するヒントを得ることができました。また個性的な人も多かったので、コミュニケーションの訓練にも非常に役立つなど、技術士会での活動は私にとってとても価値のある時間でありました。一方、現在は若手の技術士がなかなか研究会等に参加できない(しない?)状況となっているのが少々寂しいと感じています。技術士会の入会は難関の国家試験を通った人にしか与えられない特権であります。若手の技術士にもこの特権をぜひ活用してもらいたいと思っています。

 

 なお続エゾシカ飼うべの概要を抜粋すると次のようなものです。電子版はそのうち公益社団法人日本技術士会北海道本部のHPにアップされると思うので、興味のある方は一読願います。

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 全体の構成はエゾシカ肉を「捕る、つくる、売る、食べる」といったサプライチェーンにそってこれまでの報告をまとめ、マーケティング分析や現状調査における問題点や課題を踏まえ、今後に向けた提言を記しています。

 研究会の特徴としては、生体捕獲施設の開発やマーケティング分析など、他のエゾシカをテーマに取り扱う団体では議論されていない養鹿産業のビジネスモデルという観点からアプローチしているところであります。エゾシカという北海道の固有の資源を活用する養鹿産業がビジネスとして定着することで、新たな産業の創出ばかりでなく、エゾシカを捕獲する事業者(ハンターも含む)へのインセンティブとなって、結果的には害獣とされるエゾシカ捕獲の活性化につながり、北海道の抱えるエゾシカ問題の解決にもなると考えています。

 またエゾシカ肉は、ジンギスカンに次ぐ北海道発信の特有の食肉材や料理を楽しむ観光資源ともなりえます。エゾシカ肉が新たな食材としてブランド価値を高め、良質で安定的な量を消費者へ提供することで、北海道経済へ大いに寄与すると期待しているところであります。本報告書がそういった北海道発展の一助になれば幸いと思っております。

書籍 続・エゾシカ飼うべ

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