今年も日経新聞が主催する世界経営者会議に参加してきました。毎年11月初旬に開催され、3回目の参加になります。今年のテーマは「未来の扉を開く突破力」であり、国内外の有名な22名の経営者がどのようにイノベーションを成功させているのか、または考えているのか等の発表がなされ、大いに刺激を受けてきました。大企業ばかりなので、中小企業とは背景が違いますが、参考にするところが多々ありました。今回はその中から私が強く興味を引かれたトピックスを少しだけ紹介したいと思います。
全体的に共通しているキーワードは「お客様(消費者)目線」、で商品を提供したり、組織改革をしています。商品提供では小型携帯カメラで成功したGoProや、ドローンを開発したDJIという企業がありました。GoProは「カメラを販売しているのではなく、カメラを持ち歩いて様々な映像を簡単に作れる仕組みを販売している」、DJIは「小型無線機を販売しているのではなく、鳥のように空を飛び、上から世界を見るものを販売している」ということで、お客様目線のニーズを顕在化させ、それを満足させる仕組み(サービス)を創造して、製品を販売しているということです(思い返せば、MBAのマーケティングの授業でこのような視点を習ったなあ~)。商売の原点ですね。
また当社で保有している3Dプリンター関連では、もうそこまで進んでいるのかという事例が紹介されました。スイスのABBという会社ですが、現在進めているプロジェクトでは、部材を工場で予め製作するのではなく、必要に応じて現地で3Dプリンターを使って製作するということでした。私の聞き間違いでなければ、それはある橋梁の建設で試みるということだったので、「本当かよ!」と思いました。これによりコンテナがいらなくなるなど流通革命が起きるということでした。当社の3Dプリンターとは規模が違いすぎますが、夢がありますね。
最後に、一代で小さな会社から現在のニトリ家具を築き上げた似鳥社長のお話は中小企業にも参考になるお話でした。「定石否定、成功体験に頼らない経営とは」という題目でした。ニトリでは「前例がない」「去年までと違う」という言い訳はきかず、皆が不可能だということに挑戦させている。難しいことは外部に出さず、自社(自分)で行うこととしている。このようなスローガンとして3C(Change,Challenge,Competition)を推進しているということでした。成長するための厳しい環境をしっかりと作っているなという感想です。そして技術者としては、自分が成長するためにも、まさしくこの気概が必要だなと思います。
来年もまた刺激を受けに参加したいと思います。