今年で第23回目となる「和光技研技術発表会」を令和4年6月18日(土)に開催いたしました。
今年度も新型コロナウイルス感染症防止対策としてオンライン形式を採用し、会議室や自席、自宅から社員が参加しました。
下記の「社内技術士講演」や「技術テーマ発表」に加えて、若手技術者などによる「自由テーマ発表」が行われ、活発な質疑応答が行われました。
■社内技術士講演
ゼロカーボン(脱炭素)カンパニーの実現に向けた提案
水工部 北村 明
和光技研が地域にとって不可欠な存在であり続けるため、ゼロカーボンカンパニーとなるべく、全社員へ提言を行った。
- ゼロカーボンに取り組まなくてはならない世界規模の課題
- 企業として脱炭素に取り組む様々な方向性と取り組み事例
- ゼロカーボンカンパニーへの道のり
- 「和光技研ゼロカーボンチャレンジ宣言‼」
- ゼロカーボンQCよりの今後の展望と提案

■技術テーマ部門
砂防設備等緊急改築事業の概要と業務成果について
河川環境部 宮本 大
北海道の砂防施設は高度経済成長期に整備されたものが多く存在する。土石流に対する設計基準が明らかとなっていなかった昭和52 年以前の基準によって設計された砂防施設は、土石流に対する安全性が確保されていないことが懸念されるため、安全性確保のための改築が必要となる。
本発表では、令和3年度に実施したクッショナイ沢川2号堰堤を対象とした予備設計業務の事例をもとに、緊急改築事業の概要と業務成果について発表した。

当社の三次元計測とは
空間情報部 三浦 大
当社では、地上レーザ・UAV搭載型レーザ・航空レーザ・UAV写真測量・数値図化・MMSなど、各種機材を用いた精密な三次元計測が可能である。
それぞれの調査方法で、取得できる点群の特徴や精度区分に差があることから、過去の実施事例を改めて区分整理して、どのような場所で何を用いるべきかを社内技術者へ提言した。

地盤変動影響調査 ~因果関係と受忍限度~
建築補償部 横田 貴史
国土的制約の大きい我が国において、身近で実施されることの多い公共工事に関する事業損失の発生は、国民の権利意識が高揚したことも相まって、年々増加傾向となっている。
どのような場合に事業損失が発生し、どのような経緯を経てそれに認定されるのか、もしくは、認定されない場合はどのような場合か?
これらを早期に予見することは、新たな提案や設計プロセスの検討に繋がることから、当部の調査事例を整理して発表した。

海岸保全事業の事業再評価に関わる業務における創意工夫
水工部 藤平 雅之
管理技術者として業務に携わった「海岸保全事業の事業再評価に関わる業務」について、令和3年度に発注者より管理技術者表彰を受けることができた。
本業務における取組の報告として、本業務の背景や経緯、また、業務でおこなった課題解決や創意工夫について発表した。

急傾斜地で確認した防空壕跡の対策検討事例
道路構造部 小岩 晃
急傾斜地崩壊対策(がけ崩れ対策)は、自然斜面の崩壊から住民の生命を保護するため、崩壊防止施設の整備を行う事業である。このような人家が存在する斜面には、過去に造成された「防空壕跡」が存在することも稀にある。
本発表では、小樽市内の急傾斜地で業務期間中に確認した「防空壕跡」について、崩壊防止施設設計を行う上で懸念された施工時の安全や施設の効果などのリスクに対し、資料調査をはじめ空洞の調査・対策検討を行った事例を紹介した。

都市計画道路予定地にかかる支障建物の移転工法を検討した事例
河川環境部 佐々木 美一
対象となる渓流は、土石流危険渓流に指定されており、平成18 年10 月の土砂流出を契機として砂防計画が立案され、下流域の保全対象の安全を確保するために、土石流堆積工を設ける計画となっている。
土石流堆積工は、北海道内の施工事例が少なく、明確な基準も整備されておらず、計画地点の制約条件が多いため、現地での確認を行いながら施設形状を決定した。
本発表は、土石流堆積工の構造および施設形状を決定するまでの過程について紹介した。
