平成19年 4月21日に 第11回和光技研技術研究発表会 が開催されました。
(1) デジタルカメラを使用した3次元計測
測量調査部 坂井 右文
平成16年度の技術発表における“デジタルカメラを使用した写真測量”について課題になっていた計測誤差であるが、研究を進めた結果その誤差を小さくすることができた。
今回は、その研究結果発表と、業務での事例の紹介、今後の利用性について発表した。
(2) 川を診断する
河川環境部 中原 修
RHS(River Habitat Survey)は、1990年代にイギリスで開発された河川の物理的特徴(河畔林、背後地の利用状況、瀬や淵の数、水深、流速など)について客観的なデータを得るための調査・評価手法の一つである。
日本への導入は始まったばかりで、まだ手法の確立までにはいたっていない。今回は業務で実施する上での調査方法や結果などについて報告した。
(3) 生態系における外来生物の影響と現状について
河川環境部 小野寺 則子
日本国内では、外来種の侵入・繁殖範囲が年々拡大しており、生態系への影響が懸念されている。その対策として平成16年に外来生物法が制定され、外来種に対しての法的な措置が行われるようになった。しかし、外来種の認知度はまだまだ低く、またこれらの対策も十分に行われているとはいえない状況である。
本発表では、外来種分布および生態系の被害状況、また身の周りに生息する外来種について紹介し、私達が取り組むべき対策について提案した。
(4) 雁来5号橋(鋼床版複合ラーメン橋)の紹介
構造・地質部 池田 靖治
平成15年度から平成17年度の3ヵ年にわたり札幌市より発注された雁来5号橋(鋼床版複合ラーメン橋)の設計を行ってきたが,過去に設計・施工事例のない構造に,内外の協議を得て無事取りまとめることができた.従来の設計にない経緯や経過の説明,並びに詳細設計で直面した課題を抽出して紹介する.
平成19年度には工事発注が行われ,施工事前には鋼殻部の高流動コンクリートの充填実験を初め,より具体的な施工協議が想定されている.新技術による橋梁が無事施工を終えることを念頭におき,北海道大学の指導を受けると共に施工者,橋梁製作メーカーと協力をして設計者としての責任を果たしていきたいと考えている.
(5) 地域開発部におけるソフト的な業務の紹介
地域開発部 長束 亮平
委託業務については、設計業務等のハード的な業務に対しての施策の検討等のソフト的な業務も必須となる。
本発表では、地域開発部におけるソフト的な業務としてワークショップ業務の事例を紹介した。
(6) 地域開発+構造・地質部+情報システム部QCサークル 活動報告
~オフィス内のコスト縮減~
構造・地質部 北村 明
コスト縮減委員会では、オフィス内のコスト縮減に貢献する活動を検討した。その方針として、「光熱費」、「ETC」、「宅急便」などの利用効率化を図ることが、取り組みやすさの面からコスト縮減に寄与しやすいのではないかと考え、利用状況を調査するところから始め、有効と思われる行動案をいくつか提案した。
(7) 地域開発+構造・地質部+情報システム部QCサークル 活動報告
~新たな行動による受注方式の確立~
構造・地質部 太田 昌宏
「新たな行動による受注方式の確立」をテーマに掲げた活動内容を報告した。また、自己の能力の維持・向上を図るCPD制度が、技術者を評価する方法として注目されていることから、CPD制度についての説明も行った。
■特別講演 『今、なぜ技術者に論理が問われるのか』~土木技術者の倫理とは~
企画計画室 荒 精一
今、なぜ技術者に倫理が問われるのか。では、倫理とは何なのか。北海道工業大学デザイン学科3年生への講義内容を基に土木技術者の倫理について講演した。