【はじめに】
本業務は、道東のJR本線に架かる跨線橋(昭和47年架橋)の老朽化に伴う、橋梁調査並びに保守点検・補修または撤去等の検討のための概略設計である。
写真1 跨線橋全景
【点検の整理】
調査点検方法は、目視及び設計図書調査等を主体とした初期点検であり(写真2)、点検結果を基に点検時の評価及び判定を実施するものである。
今回調査点検を行った跨線橋は、現在供用中のため、橋梁の現在及び予定残存期間内(30年と仮定)の要求性能としては、以下の項目が当てはまる。
- 耐荷性能などの安全性能
- 使用性能
- 崩壊及び落下物の第三影響度
- 耐久性
- 美観・景観
点検時の評価及び判定並びに橋梁の要求性能から、対策工を検討するものである。
対策工は、補修又は架替を含めて検討し、経済性を踏まえて総合的に判断する。
写真2 点検状況
【評価の概要】
階段部を除く主桁及び横桁の変状(劣化)に関して、耐久性能が懸念されるため、錆落とし及び再塗装の対策が必要と思われる。
階段部は、腐食による損傷が著しく、使用性能が懸念されるため、対策が必要である。 (写真3)
写真3 点検箇所(腐食状況)
また、階段部は過去に補修の形跡が複数みられることから、さらに補修して延命処置を施すよりは階段部を取り替える方法が望ましい。(写真4)
写真4 点検箇所(既設補修箇所)
【まとめ】
橋梁は通常架設後に保守点検を行わず、鋼橋の場合、錆などの劣化が顕著になってから、錆落とし及び再塗装を行うのが、一般的になっているが、橋梁の耐久性能及び将来的なトータルコストを考慮すれば、定期的な保守点検を行うことが望ましい。
担当部署:構造・地質部